中宮温泉からはじまる白山白川郷ホワイトロード(旧　白山スーパー林道)の一帯は蛇谷と呼ばれています。

蛇谷は火山噴出物が凝結してできた凝灰岩(濃飛流紋岩類)で形成されています。

この凝灰岩は雲仙普賢岳の火砕流噴火とはくらべものにならないほどきわめて大規模な，おそらく地質学上でも最大規模に属する火砕流の堆積物です。

そして、この火山噴出物は白山が噴火したのものではありません。

遡ること8千万年、日本がまだ形作られる前のユーラシア大陸の巨大な火山の創造物です。

この大地が大陸を離れ日本列島を形成する経過で、海底に沈み、ナトリウムや石灰成分を噴出する大地となりました。

白山中宮温泉の湯は、白山火山の地熱と、8千万年前のユーラシア大陸の巨大な火山の地層(幅約40㌔長さ約120㌔)のコラボレーションで湧き上がってくるのです。

参考文献　白山の自然誌　⑭　蛇谷の地形と地質(石川県白山自然保護センター)

●泉質：ナトリウム－塩化物・炭酸水素塩泉（低張性中性高温泉） 

●ph：6.8●泉温：61℃●湧出量：130リットル／分（自噴）

●源泉掛け流し

美肌の湯

中宮温泉は「美肌＋保湿」の湯です。ナトリウム－炭酸水素塩泉の成分が石鹸のように皮膚の脂肪や分泌物を洗浄してツルツルにし、塩化物泉の成分が皮膚をパックして水分の蒸発を防ぎます。

このような優れた機能を持った温泉で身体が覆われているのですから、シャワーやあがり湯で洗い流すのはもったいないですね。

胃腸の湯（飲泉）

ヨーロッパの温泉療養は日本と違い、飲泉が主流になっていますが、白山中宮温泉も飲用を認められた温泉です。

中宮温泉は炭酸水素塩泉の成分が胃酸を中和し、胃の運動も活発にします。

昔から胃腸の湯と呼ばれ、飲まれてきたのはこのためです。 

また、胆汁分泌を促し、肝臓、すい臓を元気にする機能もあります。